スペイン語の動詞「gustar」はよく英語の「like」などと同等だと考えられがちですが実は大きな違いがあります。そして多くの人はその違いに気づかないまま「gustar」を使い続けているのもまた事実です。では一体どんな違いがあるのでしょうか。
1、スペイン語の動詞「gustar」の意味
「gustar」はそもそも「~が好きだ」という意味ではなく、「~が好きにさせる」という意味です。それに人称代名詞目的格を加えることでスペイン語圏の人々は「好きだ」という意味を作り上げているのです。
例えば「私は夏が好きだ」というときは「Me gusta el verano」と動詞の前に「me」がつきますが、これを直訳すると、「夏が私を好きにさせる」となります。つまりこの場合、主語は「私」ではなく、あくまでも「夏」なのです。
2、スペイン語の動詞「gustar」の主語が3人称単数の場合
「夏が好き」といったように主語が3人称の場合は誰がそれを好きかによって、人称代名詞目的格を変えていけばいいだけです。
例:Me gusta la lluvia. 私は雨が好きです。
例:Te gusta la lluvia. あなたは雨が好きです。
例:Le gusta la lluvia. 彼(彼女)は雨が好きです。
例:Nos gusta la lluvia. 私たちは雨が好きです。
例:Os gusta la lluvia. あなたたちは雨が好きです。
例:Les gusta la lluvia. 彼ら(あなたたち)は雨が好きです。
3、スペイン語の動詞「gustar」の主語が3人称複数の場合
この場合は「gustar」が3人称複数形の活用になります。
例:Me gustan las hamburguesas. 私はハンバーガーが好きです。
例:Te gustan las hamburguesas. あなたはハンバーガーが好きです。
例:Nos gustan las hamburguesas. 私たちはハンバーガーが好きです。
例:Les gustan las hamburguesas. 彼ら(あなたたち)はハンバーガーが好きです。
例:Os gustan las hamburguesas. あなたたちはハンバーガーが好きです。
4、スペイン語の動詞「gustar」の主語が1人称、あるいは2人称の場合
実はこれが一番間違いやすい用例なので注意しましょう。
例:あなたは私のことが好きですか? A ti te gusto (yo)?
例: 私はあなたのことが好きです。 A mi me gustas(tú).
主語が「私」(相手の好きな対象が『私』)になる場合、動詞「gustar」も当然1人称の活用をします。これに対し、主語が「あなた」(好きな対象が『あなた』)になる場合、動詞「gustar」も当然2人称の活用になります。
5、スペイン語の動詞「gustar」でよくある間違いの例
Me gusta tú.
Te gusta yo.
動詞「gustar」を常に3人称で使えばいいと思っている人が多く、こういった間違いに陥りがちですので注意しましょう。